PM2.5というと、外の空気の問題だと思われがちです。しかし実際には、家の中でもPM2.5は発生しています。調理、たばこ、開放型の暖房。どれも身近なものです。
この記事では、PM2.5とは何か、室内のPM2.5はどこから来るのか、そして外の濃度が高い日にどう過ごせばいいのかを、環境省や自治体の資料と計算をもとに解説します。
結論:外から防ぎ、中で出さない
- PM2.5は室内でも発生する:調理、たばこ、開放型の燃焼暖房、線香やキャンドルなど
- 外が35μg/m³の日でも、空気清浄機があれば室内は大きく下げられる:8畳でCADR 300m³/hなら、24時間換気だけの場合と比べて約9割減(試算)
- 濃度が高い日でも24時間換気は止めない:止めると化学物質やCO2がたまる。窓開けを短くし、空気清浄機を併用する

「外の空気が悪い日は窓を閉める」だけでは足りないんです。中で出さない工夫も、同じくらい大事です。
PM2.5とは
PM2.5は、大気中に浮かぶ粒子のうち、粒の大きさが2.5μm(1mmの1000分の2.5)以下のものをいいます。

髪の毛の太さのおよそ30分の1という小ささで、肺の奥深くまで入りやすいことから、呼吸器系への影響に加えて循環器系への影響が懸念されています。
発生源は、工場や自動車の排気ガス、土ぼこりなど。また、硫黄酸化物や窒素酸化物、VOC(揮発性有機化合物)などのガスが、大気中の化学反応によって粒子になったものもあります。
国の基準
環境省は、PM2.5の環境基準を次のように定めています。
1年平均値が15μg/m³以下であり、かつ、1日平均値が35μg/m³以下であること
これは、人の健康を守るうえで維持されることが望ましい水準として定められた行政上の目標値で、超えたからといって直ちに健康影響が生じるものではありません。
さらに、注意喚起のための暫定的な指針として、1日平均値70μg/m³が示されており、この値を超えると予測される場合に、都道府県などが注意喚起を行うことになっています。
室内のPM2.5は、外からと中からの両方

外から入ってくる
- 窓を開けて換気したとき
- 24時間換気の給気口から
- サッシなどのすき間から
- 衣類や洗濯物に付いて持ち込まれる
室内で発生する
- 調理:特に、焼く・揚げるといった加熱で粒子が出る
- たばこ:室内のPM2.5の大きな発生源
- 開放型の石油・ガスの暖房
- 線香、キャンドル
外の濃度が低い日でも、調理やたばこで室内の濃度は上がります。まずはレンジフードを回すことが、基本の対策です。

外の空気ばかり気にしていましたが、毎日の料理も発生源だったんですね。
外が35μg/m³の日、部屋の中はどうなるか
環境基準の1日平均値である35μg/m³を外の濃度として、8畳の部屋の室内濃度を試算しました。

| 条件 | 室内の濃度(試算) |
|---|---|
| 窓を開けて換気(3回/h) | 約33μg/m³ |
| 24時間換気のみ(0.5回/h) | 約25μg/m³ |
| +空気清浄機 CADR 150m³/h | 約3.2μg/m³ |
| +空気清浄機 CADR 300m³/h | 約1.7μg/m³ |
(8畳・天井高2.4m、外気の粒子はそのまま入ると仮定、粒子が自然に落ちる速さ0.2回/h相当として計算)
外の空気は入り続けますが、空気清浄機がそれと同じ速さで取り除くため、室内の濃度は大きく下がります。24時間換気だけの場合と比べて、CADR 300m³/hなら約9割減という計算です。
一方、窓を大きく開けると、室内の濃度は外の濃度に近づきます。濃度が高い日に窓を開けっぱなしにするのは避けたほうがよい、という理屈です。
PM2.5の濃度が高い日の過ごし方

- 濃度を確かめる:環境省や自治体のサイトで、お住まいの地域の数値を確認できます
- 窓開けは短く:換気が必要でも、長時間の窓開けは控えめにする
- 24時間換気は止めない:止めると化学物質やCO2がたまります。給気口に対応したフィルターを付ける方法もあります
- 空気清浄機を使う:HEPAフィルターの機種を、人のいる場所の近くで運転する
- 洗濯物・布団は室内に:外に干すと、粒子が付いて家の中に持ち込まれます
室内で出さない工夫

- 調理のときは必ずレンジフードを回す:焼く・揚げる調理では特に粒子が出ます。調理後もしばらく回し続けると効果的です
- 家の中でたばこを吸わない
- 開放型の燃焼暖房は、換気とセットで使う:粒子だけでなくCO2も出ます
- 線香やキャンドルは、換気をしながら
- 掃除は、ほこりを舞い上げないように:掃除機は前後にゆっくり動かす
空気清浄機を選ぶときは
PM2.5のような細かい粒子を取るなら、HEPAフィルターを備えた機種を選び、部屋の広さに合った能力(CADR)があるかを確認してください。2026年に規格が改正され、カタログの適用床面積の意味が変わっている点にも注意が必要です。
部屋の広さや気になる汚れを入れると、必要なCADRの目安を計算できます。
部屋の広さと住まいの条件から、必要な空気清浄機の能力(CADR)・換気の過不足・冬の加湿量を計算します。2026年改正の新規格と旧規格、どちらの表示にも対応。所要時間は約1分。
- 1 部屋
- 2 気になること
- 3 換気と気候
空気清浄機を置く予定の部屋の広さを入力してください。
人数が多いほど二酸化炭素がたまりやすくなります。
広さは1〜100の範囲で入力してください。
あてはまるものをすべて選んでください(複数可)。
空気の目標値を厳しめに設定するかどうかの判断に使います。
壁や天井にある、常に回っている換気口のことです。2003年以降に建てられた住宅にはほぼ付いています。
必要な加湿量は、外の空気の冷たさで大きく変わります。
診断結果をもとに、条件に合う機種の絞り込み方と買う前の確認点を1通にまとめて送ります。
よくある質問
PM2.5は室内でも発生しますか?
はい。調理(特に焼く・揚げる)、たばこ、開放型の石油・ガスの暖房、線香やキャンドルなどが発生源になります。外の濃度が低い日でも、室内の濃度は上がることがあります。
PM2.5の濃度が高い日は、換気しないほうがいいですか?
窓を大きく開ける換気は短めにし、24時間換気は止めないでください。止めると、化学物質やCO2がたまります。空気清浄機を併用すると、室内の濃度を大きく下げられます。
空気清浄機でPM2.5は減らせますか?
HEPAフィルターを備えた機種なら、空気中の細かい粒子を取り除けます。8畳の部屋でCADR 300m³/hの機種を使うと、24時間換気だけの場合と比べて約9割減という試算になります。
PM2.5の濃度はどこで確認できますか?
環境省や、お住まいの都道府県のサイトで、測定局ごとの数値が公開されています。1日平均値が70μg/m³を超えると予測される場合には、自治体から注意喚起が行われます。
まとめ
- PM2.5は粒の大きさが2.5μm以下の粒子。髪の毛の約30分の1
- 環境基準は「1年平均値15μg/m³以下かつ1日平均値35μg/m³以下」。注意喚起の指針は1日平均値70μg/m³
- 室内のPM2.5は、外から入ってくるものと、調理やたばこなど室内で発生するものの両方
- 外が35μg/m³の日でも、8畳でCADR 300m³/hの空気清浄機があれば、24時間換気だけの場合と比べて約9割減(試算)
- 濃度が高い日も24時間換気は止めず、窓開けを短くして空気清浄機を併用する
出典
- 環境省「微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報」および注意喚起のための暫定的な指針(1日平均値70μg/m³)
- 北九州市「PM2.5とは」 https://www.city.kitakyushu.lg.jp/contents/00600065.html
- 宮城県「PM2.5(微小粒子状物質)情報」 https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kankyo-t/pm2-5jouhou.html
- 滋賀県「微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報」 https://www.pref.shiga.lg.jp/de00/2840.html
- 東京都保健医療局「室内環境対策(ダニ・カビ)」東京都アレルギー情報navi. https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/allergy/measure/indoor.html
※室内濃度の試算は、外気の粒子がそのまま室内に入ると仮定した計算です。実際の値は、住まいの気密性や空気の流れによって変わります。






