加湿器や除湿機を上手に使うには、まず部屋の湿度を知ることが出発点です。とはいえ、温湿度計は数百円から数千円まで幅があり、どれも同じように見えます。
違いが出るのは、仕様表の「精度」の欄です。同じ「±5%」と書かれていても、その精度が保証される湿度の範囲は製品によって違います。
この記事では、仕様表の読み方、目的別の選び方、正しい置き場所、そして家にあるもので精度を確かめる方法まで解説します。
結論:温湿度計は3つのポイントで選ぶ
- 精度は「範囲」まで読む:「35〜75%で±5%、それ以外は±10%」のように、保証される範囲を確認する
- 目的に合った機能を選ぶ:最高・最低の記録、露点の表示、スマホ連携など
- 置き場所を決めてから選ぶ:部屋の中央・床から1m前後に置けるか

湿度計は「数字を信じていいか」がいちばん大事。精度の読み方さえ押さえれば、安い製品でも上手に使えます。
精度は「どの範囲で」まで読む
同じ「±5%」でも中身が違う
温湿度計の仕様表には、たとえば次のような書き方があります。
- 湿度の精度:35〜75%で±5%、それ以外は±10%
- 湿度の精度:10〜90%で±2%(周囲温度25℃)、それ以外は±3%

1つ目の製品の場合、目安の40〜60%では±5%ですが、冬の乾燥した部屋(20〜30%)では**誤差が±10%**になります。表示が30%でも、実際は20%かもしれない、ということです。乾燥が気になる冬こそ正確に知りたいのに、その範囲の精度が落ちるわけです。
製品によっては、精度が保証される範囲が「50〜80%」のように、目安の40%を含まないものもあります。「±5%」の数字だけでなく、その範囲に40〜60%がしっかり入っているかを確認してください。
表示の細かさと、精度は別物
「0.1℃単位」「1%単位」は、表示できる細かさです。正確さを表しているわけではありません。0.1℃まで表示する製品でも、温度の精度が±1℃ということはよくあります。細かく表示されると正確に見えますが、判断の基準は精度の欄です。
更新の間隔
表示が数秒ごとに更新される製品もあれば、20秒ごとの製品もあります。加湿器をつけて湿度の変化を見たいときなどは、更新が速いほうが扱いやすくなります。
選び方の6つのチェックポイント

- 精度と、その範囲:40〜60%が、精度のよい範囲に入っているか
- 表示の細かさは、精度とは別:精度の欄で判断する
- 表示の更新間隔:変化を追いたいなら、更新が速いもの
- 最高・最低の記録:夜のあいだの最低温度や、朝の最高湿度がわかる
- 露点・絶対湿度の表示:結露の管理や、季節をまたいだ比較に役立つ
- 置き方:壁掛け、スタンド、マグネットなど、置きたい場所に合うか
目的別のおすすめのタイプ
まず1台なら:見やすいデジタルの温湿度計
リビングに1台置くなら、画面が大きく見やすい、デジタルの温湿度計が扱いやすい選択です。40〜60%の範囲で精度が±5%以内と書かれていて、最高・最低の記録ができるものを選んでください。
数字を正確に知りたいなら:高精度のセンサーを使った製品
精度の範囲が広く、誤差が小さい製品です。たとえばSwitchBotの温湿度計は、販売店に掲載された仕様表で、周囲温度25℃・湿度10〜90%のとき±2%とされています。冬の乾燥した部屋でも、精度が落ちにくいのが利点です。
結露やカビが気になるなら:露点を確認できる製品
露点温度(空気中の水分が水滴になり始める温度)がわかると、窓や壁が結露しそうかどうかを判断しやすくなります。スマホのアプリで露点温度や絶対湿度を確認できる製品もあります。窓際に置けば、冷えやすい場所の状態を見張れます。
複数の部屋を見たいなら:スマホ連携・記録ができる製品
寝室や子ども部屋、外出中の部屋の状態を、スマホでまとめて確認できる製品です。温湿度の記録を残してグラフで見られるので、季節ごとの変化や、加湿器の効き具合がわかります。外出先から見たり、通知を受け取ったりするには、別売りのハブが必要な製品もあるので確認してください。
アナログの温湿度計
電池がいらず、インテリアになじむのが利点です。ただし、湿度の精度が仕様表に書かれていない製品も多いので、数字で管理したい場合はデジタルの製品がおすすめです。
置き場所:部屋の中央、床から1m前後に
温湿度計は、置き場所によって表示が大きく変わります。部屋全体の状態を知るには、部屋の中央付近、床から1m前後の高さに置くのが基本です。

次の場所は避けてください。
- 加湿器の近く:実際より高く表示される
- エアコンの風が当たる場所
- 窓際や外壁のそば:冷えるため、湿度が高く表示される
- 直射日光が当たる場所
- 床の上や天井の近く
加湿器や空気清浄機に内蔵された湿度センサーは、本体のまわりの湿度を測っています。部屋全体の湿度と違うことが多いので、別に温湿度計を置いて確かめるのがおすすめです。
結露が気になる場合は、もう1台を窓の近くに置くと、部屋でいちばん冷える場所の状態もわかります。
塩と水で、湿度計の精度を確かめる
長く使っていると、湿度計のセンサーは少しずつずれることがあります。2台の湿度計の表示が違って、どちらが正しいのかわからないこともあるでしょう。
そんなときに役立つのが飽和塩法です。塩(塩化ナトリウム)を溶け残るほど溶かした水を密閉した容器に入れておくと、その上の空気の湿度は、温度が変わってもほぼ75%に保たれます。湿度計の校正方法として、日本産業規格(JIS B 7920)にも定められている方法です。

家庭でできる手順
- 小さな容器に食塩を入れ、溶け残りが出るまで少しずつ水を加えて、どろっとした状態にする
- 湿度計と塩水の容器を、大きめの密閉袋や容器に一緒に入れる(湿度計が塩水に触れないように)
- 温度変化の少ない場所に、数時間から1日半ほど置いて、表示が落ち着くのを待つ
- 表示が75%前後なら、おおむね正常。ずれていれば、その差を覚えておくか、調整機能のある製品なら75%に合わせる
たとえばSwitchBotは、自社の温湿度計の校正方法として飽和塩法を案内しており、24〜36時間置いてから75.0%に合わせる手順を示しています。
家庭用の食塩でも目安の確認には十分ですが、厳密な校正ではない点は理解しておいてください。

2台の湿度計で5%も違うと、どっちを信じればいいか迷いますよね。

そんなときは塩水で75%を作って比べてみてください。どちらが正しいか、すぐにわかりますよ。
よくある質問
2台の湿度計で表示が違うのはなぜですか?
それぞれの精度の範囲内でずれていることが多く、「±5%」の製品どうしなら、最大で10%違うこともありえます。置き場所の違いでも表示は変わります。同じ場所に並べて比べ、それでも気になる場合は、塩水を使った方法で確かめてください。
安い温湿度計でも大丈夫ですか?
仕様表で、40〜60%の範囲の精度を確認してください。その範囲で±5%以内なら、目安の管理には使えます。冬の乾燥した状態を正確に知りたい場合は、低い湿度でも精度が落ちにくい製品を選ぶと安心です。
温湿度計はどこに置けばいいですか?
部屋の中央付近、床から1m前後の高さが基本です。加湿器の近く、エアコンの風が当たる場所、窓際、直射日光が当たる場所は避けてください。
湿度計は何年くらい使えますか?
センサーは使っているうちに少しずつずれることがあります。年に一度くらい、塩水を使った方法で75%前後を示すか確かめると安心です。
まとめ
- 温湿度計の精度は、「±5%」の数字だけでなく、その精度が保証される範囲まで読む
- 表示の細かさ(0.1℃、1%単位)と、精度は別物
- 目的に合わせて、最高・最低の記録、露点の表示、スマホ連携などを選ぶ
- 置き場所は、部屋の中央・床から1m前後。加湿器の近くや窓際は避ける
- 塩を溶け残るほど溶かした水で、湿度計の精度を確かめられる(約75%)
出典
- 日本産業規格 JIS B 7920(湿度計の試験方法。飽和塩法)
- SwitchBotサポート「防水温湿度計の校正方法」 https://support.switch-bot.com/hc/ja/articles/14646063882519
- ヴァイサラ「湿度校正器 HMK15 取扱説明書」(塩化ナトリウムの飽和塩溶液:75%RH)
- 販売店に掲載された各製品の仕様表(精度の表記例)
※湿度計の精度の表記は、メーカー・製品によって異なります。購入の際は、最新の仕様をご確認ください。




